ラローです。こんにちは。皆さん音楽は好きですか?
もちろん!僕は大好きです。特にクラシックが好きなんです!
そんなクラシック音楽ですが、よく「難しそう」「敷居がたかい」「音楽の授業で飽きた」といった理由で避けられているジャンルでもあります。
一つ言わせてください
そんなのもったいない!
「音楽性が合わない」ならしょうがないと思います。しかし、食わず嫌いはもったいない!!
そう言うことで、今回はそんなクラシック音楽についてざっくり紹介していこうと思います!
クラシックの成り立ち
そもそもクラシック音楽の始まりは何だったでしょうか?
今まで残っているものは宗教音楽が始まりとされます。
音楽自体はそれ以前にも存在していましたが、クラシック音楽の始まりは8世紀頃に誕生したとされるグレゴリオ聖歌と言われる教会で歌われる歌と言われます。
グレゴリオ聖歌とは
キリスト教会の礼拝の一部を構成する音楽である。
8つの教会旋法(特定の音程の組み合わせから成る音階の一種)のうちのどれかに属する単一の旋律から成る。旋律は短く単純で、規則性を持つこともあれば、より長く複雑な場合もある。
歌詞は宗教的な内容で、ラテン語あるいはギリシャ語で書かれている。旋律が書き留められるようになったのは9世紀からで、聖歌が歌われた地域によって記入の仕方に違いがあった。同じ歌が同じように歌われるよう、ヨーロッパ中の教会の聖歌を統一しようという試みがあったが、取り立てて成功したと言えるような例はない。
(クラシック作曲家大全より引用)
始めは伴奏もなく、同じ旋律を一人、または大勢で歌っていて、礼拝の付属に過ぎませんでした。
ここから徐々に芸術としての価値を認められて今まで残る音楽ジャンルとなるのです。
そんなクラシックですが実は言葉としては明確には定義されていません。
この言葉で表されるのは、バッハやヘンデルの「バロック音楽」、ハイドン、モーツァルト、
ベートーヴェンの「古典派音楽」、ショパンからチャイコフスキーまで「ロマン派音楽」、
そして、ドビュッシーやラヴェルの「近現代音楽」。これらの音楽を言うことが多いです。
しかし、これ以前の音楽が違うと言うわけでもありませんし、現在、今この瞬間にも新たなクラシックが芽吹いています。
つまりクラシック音楽に明確な垣根は存在しません。
あえて定義するならば、西洋音楽を源流にもつ音楽 と言えましょう
クラシックの分類
実はクラシックは年代によって大きく作風が異なってきます。
今回はそれぞれの特徴をわかりやすく、具体的な作曲家の名前を交えながらざっくりですが解説させて頂こうと思います。
中世・ルネサンス期
モノフォニー(一つの旋律の音楽のこと)だった音楽ですが、
12世紀ごろには複数の旋律が絡み合った音楽であるポリフォニーに変化していきます。
このポリフォニーは伴奏とはまた違い対位法という考え方によって作られていて、現代でいうハモリに近いです。
ドラゴンクエストのゲーム音楽を手がけたすぎやまこういち氏が、この方法を取り入れ、限られた容量の中で壮大な音楽を作った話で知っている方もいるでしょう。
またこの頃には音楽を分かりやすくするために楽譜が普及し始めました。

どんな音になるんだろう
そして、この頃になると歌だけでなく楽器を取り入れた音楽も普及していきます。
代表的なものですと、ギターの祖先であるリュート、弦楽器の元となったヴィオール、そしてみなさんお馴染みのリコーダーもこの頃に作られました。
この頃の音楽は多くの流派が存在していました、
代表的な作曲家は
- ロマンスもお好き マシュー
- 宗教音楽の父 パレストリーナ
- オペラの幕開け モンテヴェルディ (この人は次の時代に片足突っ込んでる)
また宗教改革で知られるマルティン・ルターも多くの讃美歌を残した作曲家としても知られます。
あまり聞き馴染みのない方ばかりに思えますが、音楽史における重要な人たちです。
特にパレストリーナは今年で生誕500年になります。
もしかしたらどこかで聞くかもしれません!

Happy birthyear!! Dearパレストリーナ!!
バロック時代
バロックという言葉はポルトガル語で「歪んだ真珠」を意味する言葉から来ています。
これは当時の音楽がルネサンスの音楽に比べて少し不自然で歪だと揶揄されたことが由来です。
ここからわかるようにバロック音楽はルネサンスから大きく変化したのだと分かります。
この頃になるとポリフォニーに変わって通奏低音という考えが普及し始めます。
通奏低音とは
メロディーに対して低音楽器(チェロやファゴット)が一番低い部分を演奏し、それに合わせて鍵盤楽器やリュートが和音を演奏するという伴奏の方法
そしてこうした音楽様式が誕生したことによってメロディーにもっと自由に装飾を取り入れられるようになり、表現の幅は大きく広がりました!
またこうした変化によって誕生した形式がオペラです。
オペラはこうした音楽に言葉を乗せやすくなり、ストーリーをドラマチックに伝えられるようになったからこそ誕生した形式なのです。
オペラの有名な作曲者としてゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルがいます。
彼はイタリア風のオペラとドイツの音楽を組み合わせて「エジプトのジュリアス・シーザー」など、多くのオペラを手がけた他、「ハレルヤ・コーラス」で知られる、
「オラトリオ《メサイア》」などの音楽を残しました。
このオラトリオは宗教的な舞台作品の形式です。
オペラの始まりに関するちょっとした雑学
元々オペラは古代ギリシャの演劇を再現しようという貴族の取り組みからできたものです。
このギリシャ演劇の会場には舞台と客席の間に大きな溝があり、この溝を使ってどう演技していたのか長年議論していました。
議論の結果、「この空間にはたくさんの演奏者が入ってて、きっと古代ギリシャの人たちは演劇と音楽を融合させたものを楽しんでたんだ!」という結論になりました。
こうしてできたのがオペラです。しかし、実際のところ古代ギリシャ人は普通に演劇していただけだったのだそうです。
またこの頃、貴族が力を持ち始めたことによって音楽の規模が大きくなり始めます。
貴族たちは客人に自分の凄みを見せるために、自分だけのアンサンブルを持ち、専用BGMを演奏させていたのでしょう。
器楽曲の需要が増えたことによって誕生したのがヴァイオリンです。
小型で持ち運びやすく、人の歌声に匹敵するヴァイオリンはすぐに広まり、ストラディヴァリやグァルネリといった偉大な職人が活躍したことも相まってアンサンブルの規模は大きくなります。さらに、オペラのような舞台芸術の発展も相まってどんどん大きくなっていった結果、
誕生したのがオーケストラです。
こうした楽器のための音楽を作った人物として、
アントニオ・ヴィバルディとゲオルグ・フィリップ・テレマンが有名です。
ヴィバルディは、器楽曲の形式、協奏曲の表現を引き出したことで有名で、
「ヴァイオリン協奏曲《四季》」と呼ばれる特に四つの作品は日本で愛されています。
そして、テレマンは「ターフェルムジーク《食卓の音楽》」と呼ばれるパーティのために書かれた作品集が有名で、演奏家たちのための曲集「忠実なる音楽の師」でも知られます。
ここまででみなさん疑問に思ったと思います。
「あれ?バッハは?」
実はバッハはこの時代、同期の作曲家たちと比べてあまり目立った存在ではなく、オルガンの演奏者として活躍していました。しかし、その作曲センスは目を見張るものがあり、同時期に活躍したテレマンは彼のことを高く評価していました。それでもまだ、彼が日の目を見るのは随分先になります。
この頃の代表的な作曲家をまとめると
- 赤毛の司祭 ヴィバルディ
- ご飯のお供 テレマン
- 舞台の王 ヘンデル
- 音楽の父 J.S.バッハ
また、「カノン」で知られるパッフェルベルもこの時代の作曲家です。

この頃は影の薄いお父さん
「どうせ死ぬなら…試してみるか…♩」
古典派の時代
この古典派の時代の先駆者となったのはなんとJ.S.バッハの子供達です。
彼らは父の卓越した作曲技術と、彼の同時期に生きた作曲家の力をそれぞれ継承して新たな音楽の道を切り拓きました。なんかバトルものみたいですね。
バッハの息子たちについて
長男 W.F.バッハ 通称「ハレのバッハ」
父譲りの即興演奏と作曲技術を持っていた天才だったが、父の作品を無くすなどした困った人
次男 C.P.バッハ 通称「ベルリンのバッハ」「中バッハ」
テレマンの作曲技法を強く受け継ぎ、古典派音楽を切り開いた第一人者。一番すごい。
下から二番目 J.C.F.バッハ 通称「ビュッケブルクのバッハ」
あまり優れた評価はされなかったが、外部の影響を柔軟に受け止めて、時代に順応した。
末子 J.C.バッハ 通称「ロンドンのバッハ」
ヘンデルの影響を強く受け、国際的に活躍する。モーツァルトに影響を与えた。
この時代は啓蒙主義の影響を色濃く受けており、バロック時代の難解な音楽から一転して、シンプルな旋律に和音の伴奏をつけたホモフォニーという音楽様式に移り変わります。
また、この時代はナポレオンが現れた影響によって貴族たちはどんどん力を落としていきます。当時、音楽家は貴族の従者よりも身分が低かったのですが、こうした影響から公開コンサートを開いたり、演奏や楽譜の出版で収益を得るようになった音楽家が増え始めます。フリーランス音楽家の台頭です!そして、クラシック音楽は、貴族のものから徐々に庶民のものに変わっていきます。神のものだった音楽がついに全ての人に…!
音楽の人気は声楽よりも器楽曲の方が高まった影響、そしてターゲット層が変わった影響からより分かりやすい音楽が必要になりました。そこで出来上がったのがソナタ形式です。
ソナタ形式とは
曲全体で使われるテーマ二つを紹介する「提示部」
二つのテーマを分解、合成、魔改造して作られる「展開部」
はじめに紹介されたテーマに少し改変を加えながら戻ってくる「再現部」
この三つに「序奏」や「移行部(間奏)」「終結部」を加えたりして作られる
この形式の素晴らしいところは少ない音楽的要素でも素材の味を大いに活かしつつ伏線回収まで丁寧にこなしてくれる構成、そして、作曲者のオリジナリティを出しやすい点にある。
このソナタ形式はクラシック音楽以外でも使われる非常に愛されている形式です。
また、このソナタ形式を使って交響曲という曲の形式が誕生しました。
交響曲とは
オーケストラの為の器楽曲で、一般に4楽章で構成され、
1楽章は聴衆にわかりやすいソナタ形式で、
2楽章はゆったりと落ち着いた緩徐形式と呼ばれるもの
3楽章は優雅なメヌエット、または激しいスケルツォのような舞曲形式
4楽章は陽気なテーマと対照的なテーマがサンドイッチのように積み重なったロンド形式
一般にコンサートのつなぎで使われていた前菜的な役割だったが、ベートーヴェンによって立派なメインディッシュへと変貌した。
フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは、代表曲である「交響曲第94番《驚愕》」のようなユーモアに溢れる交響曲を108個作りあげたり、弦楽四重奏という4個の楽器がそれぞれ対等な役割を持つ新たな室内楽のジャンルを作りました。こうした室内楽の発展もこの頃です。
他にも、協奏曲の形態も大きく変わりました。
弦楽四重奏などの室内楽とは対照的に、協奏曲は一人のソリストの技術面にスポットライトを当てたものに変わっていったのです。
かの有名なヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはこうしたあらゆる音楽ジャンル全てで、代表曲を残しました。中でもオペラ「魔笛」はこうしたモーツァルトの卓越した技術を濃縮した一品として有名です。
こうして発展していた古典派音楽、そこに一筋の落雷が落ちます。
そう、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンです。
彼はハイドンやモーツァルトの作り上げた音楽にあるものを入れました。
それは「感情」です。
彼の自分にも抑えられないほどの激情、それを音楽にぶつけたのです。
前代未聞です。それはすぐに曲に現れました。
ガラリと変わる転調、ダイナミックな形式の変革、激しい音の強弱!
表現の幅が広がったことによってついに作曲者の内面を音楽に入れることができたのです!
これによってクラシック音楽は新たなステージに移行していくのでした。
この時代の代表的な作曲家をまとめると
- 前古典派 4人のJ.S.バッハの息子たち
- 交響曲のパパ ハイドン
- 神童 モーツァルト
- 楽聖 ベートーヴェン
また、モーツァルトのライバルとして有名なサリエリ、ソナチネで知られるクレメンティ、
ハイドンの相方ボッケリーニなども知ってもらいたい作曲家です。
特にサリエリは今年で没後200年を迎えるのでまたどこかで取り上げたいと思っています。
彼、本当に面白いんですよ。

こんなしかめっ面なのは大好物のマカロニチーズ和えの
マカロニが茹ですぎて美味しくなかったかららしい
ロマン派入る前に…
熱が入りすぎて古典派までかなり使ってしまいました。
一度ここまでで区切って続きは次回に回そうと思います!
以上ラローでした!